日付/時間
Date(s) - 2025年7月20日
1:00 PM - 4:00 PM
カテゴリー
2025年哲学カフェ 年間テーマ:「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」
現代世界において、日本を取り巻く状況はかつてないほど複雑で不安定です。
西洋社会ではポピュリズムが台頭し、
その背後には「西洋の自死」とも言える深刻な自己懐疑が見え隠れします。
一方、中国やロシアといった大国、そしてグローバルサウスと呼ばれる発展途上国は、
それぞれ異なる価値観と現実的なパワーバランスを模索しています。
このような中で、日本はどのような立ち位置を取るべきか。
そして、私たちは日本人としてどのように生きるべきか
――この問いを、2025年の哲学カフェの年間テーマとします。
この問いに答えるためには、日本の文化的背景や哲学史に根ざした
私たちの特性を深く見つめ直す必要があります。
同時に、西洋哲学史や他文化との比較を通じて、
日本的な特性を浮かび上がらせ、それを行動の根拠とする試みを行います。
第83回テーマ:
『技術の「根回し」は可能か? ― フィーンバーグの「民主的合理化」と日本の合意形成プロセス』
あなたは、「空気」を読みますか?
前回の哲学カフェでは、
巨大プラットフォームが支配する現代社会を「テクノ封建制」として捉え、
その構造と私たちのあり方を議論しました。
では、この巨大な「クラウド領主」に対し、
私たちはどのようにして私たちの声を届け、
その方針を変えていくことができるのでしょうか。
次回の哲学カフェでは、この問いに対する一つの可能性を、
私たち日本人にとって非常に身近な文化である
「根回し」「忖度」「空気を読む」という視点から探求します。
西洋の技術哲学では、アンドリュー・フィーンバーグが提唱するように、
開かれた「公開討論」やデータに基づく議論を通じて、
市民が技術のあり方に介入する「民主的合理化」が理想とされます。
しかし、私たち日本社会では、物事は必ずしもそのようには進みません。
水面下での調整や非公式な対話、
その場の「空気」を読みながら合意を形成していく――。
この一見、非合理的で曖昧な日本の作法は、
現代の複雑な技術社会において、どのような意味を持つのでしょうか。
この哲学カフェでは、以下のような問いを皆さんと共に考えます。
- 日本の「空気」を読む文化は、巨大テクノロジー企業の方針を変えようとする時、私たちの「障壁」になりますか? それとも、直接的な対立を避けるための賢い「潤滑油」になりますか?
- 炎上や不買運動のように、一気に形成されるネット上の「空気」は、民主的なコントロールと言えるのでしょうか?
- 巨大プラットフォームに対して、私たちは戦略的に「根回し」を仕掛けることができるでしょうか?
年間テーマである「私たちは日本人としていかに生きるべきか?」という大きな問いに対し、
この日本独自の合意形成プロセスを武器として、
あるいは乗り越えるべき課題として捉え直すことで、
テクノロジーとの新たな関わり方を構想します。
専門的な知識は不要です。
日常で感じる違和感や、ふとした疑問を手がかりに、
自由な対話を通じて共に思考を深めていきませんか。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:7/20(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
![]() |
<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
![]() |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2024/7/20 哲学カフェ Vol.83 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得