アガトンラボは何をする会社なのか?

「アガトン(Ἀγάθων)」とは、古代ギリシャ語で「善」を表します。私たちは経済成長を求める中で、人生の目的、企業の目的、国家や社会が目指すべき目的、すべてを見失ってしまったような状況にあります。

その反動で、いわゆるミレニアム世代やZ世代など若い世代を中心に、エシカル(倫理的)なものを求める動きも起こっています。倫理を主題としたコミックやドラマが流行している現在の状況は「善」を求める現れといえます。

その中で、株式会社アガトンラボは「善」を模索するラボ(研究室・実験室)として、個人・企業・国家・社会が「善」を希求するサポートをします。

具体的には、哲学カフェや、企業・自治体の研修、コンサルティングなどを通して、各々が善を希求する「核」を育みます。

長期的には、そのような実績をもとに、ソフトウェアやハードウェア、インフラの開発に「善」を基礎づけるという形で、「哲学の社会実装」することを目指します。

アガトンラボはなぜ哲学の社会実装を目指すのか?

 アガトンラボは「哲学の社会実装」を社是としています。社会が哲学を必要としており、その深い需要に応えるためです。

 例えば、GoogleやAppleという巨大IT企業は「社内哲学者(in-house philosopher)」を雇用しています。IT企業は指数関数的に成長するその影響力の大きさにも関わらず、自動車産業が果たしているような社会的責任を果たしていません。その責任に対して、倫理的に応答する試みの一つが社内哲学者の雇用です。

 また、巨大IT企業に限らず、人材と企業が倫理的であることがその持続可能性を左右する現象が散見されます。SDGsやエシカル消費はもはやマイナーな現象ではありません。

 気候変動問題はもはや化石燃料の浪費を許さず、電気自動車(EV)への急激なシフトやプラスチック製品使用の抑制など、地球の持続可能性に配慮しない企業はその商品価値を下落させています。一万円札の肖像画が、自助論を唱えた福沢諭吉から「論語と算盤」を唱えた渋沢栄一へと移行することもまたその現れと言えるでしょう。

 世界は新自由主義の時代から「善」を志向する時代へと移行しています。「善」を志向することが人材と企業の価値を高めます。論語も算盤も必要なのです。人と企業の手を離れて暴れ回る経済に私たちは翻弄され、社会は悲鳴を上げているのです。

 その一方で、世界のデジタル化の動きは急激かつ絶大で、指数関数的に成長する巨大IT企業の前に人や企業の良心や主体性は無力に見えます。長いものに巻かれてしまった方が楽でかもしれません。しかし、アガトンラボは、様々なアプローチを通して人や企業の「良心」や善を志向することを支援します。そして、そのことを通して哲学の社会実装することを目指します。暴れ回る怪物のような経済にくびきをかけるような仕事を、その草の根の人と企業の皆さんとともに取り組んでいけたら幸いです。

アガトンラボはどのように哲学の社会実装を目指すのか?

私たちはどのように哲学の社会実装を試みるのかについて考えを述べます。

当面は、個人や企業に属する人々が哲学する主体性を育むために3本柱で運営を行います。個人向けには哲学的に考えることをファシリテートすること、企業向けには哲学研修を行うこと、そして、ビジネスパーソンに哲学コンサルティングを行うことです。

現在個人向けには現在哲学カフェを行っていますが、そこに留まらず、哲学的な命題に関するディベートやクリティカルシンキングを促すファシリテーションを行うなど、個人の主体性を育んでいきます。

哲学研修は、企業の経営者や従業員を対象とした講座で、グループワークを想定しています。先の読めない答えのない、流動性の激しい時代においては、従来型の問題解決法ではない哲学的に深く考え、問いを立てられる主体性の芽を育むことは組織を強靭にします。テクノロジーが指数関数的に発展して、社会を支えてきた様々な前提を破壊しています。コロナ禍のように破壊的な事態が発生したのもその表れと言えますが、それに柔軟に対応できる従業員を要請することは緊急の課題です。それにお応えできる研修を実施します。

哲学コンサルティングは、経営者や従業員の別なく、個々のビジネスパーソンに対してマンツーマンで行います。従来型のコンサルティングのように問題解決型のアプローチは採用しません。むしろ、善(アガトン)や美、そして真実とは何かという問いを立てるところから始まります。「解決が潤沢で問題が稀少である」という時代にマッチしたコンサルティングを行います。

当面はこのような活動を通して、ミクロレベルからの哲学の社会実装を試みます。いわば哲学のシナプスを社会に張り巡らします。将来的には、その中で得られた実績や知見、データベースをもとに、ハードウェアやソフトウェア、そしてインフラの開発の根っこに「善」を据える哲学的にして具体的な提案を行います。そのことで、付加価値の高い、そして深いプロダクトを社会に流通させることに貢献します。