●アガトンラボの哲学研修の特長
よい製品とは何でしょうか?
言葉にする前に解答を一旦脇に置いて、次のように考えられるでしょうか? 「製品」とはそもそもどのような存在でしょうか? その製品を作り、売るという行為を正当化するものは何ですか? 経済活動の自由と社会や人々の幸福とはどのような関連がありますか?
そもそも、「よい」とは何でしょうか? 「よい」という性質を私たちはどうやって知るのでしょうか? 現在の「よい」は将来も「よい」でしょうか?
哲学は、思考する方法とカバーする領域の広さにおいて、他の方法論とまったく異なります。哲学は、人間や社会のあらゆる分野の問題を射程に入れ、真理の探究や行動の原則を理解することです。哲学は、確固たる基準を確立すると同時に、他者の視点や他の文化を理解する能力を高め、対立を解決する合理的な手立てを発見することを手助けしてくれます。
2600年間の知恵の蓄積である哲学は、難しい局面で判断を迫られる現代のビジネスパーソンにとっての海図であり、羅針盤となります。哲学的な思考と対話の手法を身につけることで、大海の荒波を乗り越えよりよい未来を切り拓くことができます。
●哲学研修の内容
アガトンラボの哲学研修は、哲学的な思考と対話を可能とする3つのスキルをベースに、ニーズに合わせて研修内容を構成しています。
1.クリティカル・シンキング
- 論理的に考え、重要な論点を特定する能力
- 本質を突いた適切な質問をする能力
- フレームを崩し、枠外から見る能力
- 他者の見解の長所と短所を評価する能力
- 問題のパラメーターを定義し、複雑な問題を解決可能な部分に分解する能力
- さまざまな角度から問題を検討し、行動方針を打ち出す能力
- 目的や原則を明確にする能力
- 事実と価値を区別する能力
2.コミュニケーション・スキル
- 難しいアイデアを明確かつ率直に表現し、説明する能力
- 他者の意見を尊重しながら自分の視点を表現する能力
- 情報を伝達するためにさまざまなツールと戦略を使用する能力
- 他者を説得するために議論のテクニックを使用する能力他者の意見や意図を正確に評価する能力
3.自己確立と他者受容の統合スキル
以下の要素を統合する能力
- 自分と異なる意見でも理解しようする
- どのようなことでも自分との関わりの中に置き換えて考えられる
- 批判的に疑いつつも、新しい可能性や創造的な解決策を探る経験を基に、自分の言葉で考えてみる
- 一貫性にとらわれず、変容を受け入れる
哲学研修コースは、これらのスキルを使いながら、現実の業務と、あるべき姿や理想とを統合するための触媒として研修効果を発揮するように設計されています。
●哲学研修のコース
アガトンラボでは、あらゆる場面で活用できる哲学的思考の習得を支援するベーシックコースから、エグゼクティブや事業推進のコアメンバーが複雑な状況下で真の問題を発見することを手助けするアドバンストコースまで幅広い研修メニューを提供しています。
ベーシックコースのモデルプラン
(A)哲学思考の基礎 ~具体と抽象~
- 普段の仕事を通じて具体と抽象を行き来する考え方や言語化をトレーニングする
- 現場に求められる階層関係の思考など共通観念を形成し、コミュニケーションの基盤を形づくる
- 基礎的な概念について対話しながら思考することで、現場においても自ら主体的に考える芽を育む
(B)哲学対話の理論と実践 ~善とは何か?を考える~
- ソクラテス式問答法の理論
- 2600年前からの哲学の主題である「善とは何か?」について対話する
- 善という根源的なテーマについて、傾聴と変容を尊重して対話することで、チームビルディングとコミュニケーション能力の向上を図る
(C)倫理学と企業倫理~「SDGsは大衆のアヘンか?」~
- 倫理学の基礎
- 徳倫理学・義務論・功利主義(ケーススタディとディスカッション)
- 現代の倫理学
- 環境倫理学・動物倫理学(ケーススタディとディスカッション)
- 企業倫理
- 企業倫理の概説、自社のカルチャーやCIとの比較検討
- CIと情報発信のケーススタディとディスカッション
- 世界におけるエシカル消費の動向のケーススタディとディスカッション
- コロナ禍以後における企業の存在意義とは何か?
- ブルシットジョブとエッセンシャルワーク、「SDGsは大衆のアヘンか?」についての概説
- ディスカッション:コロナ禍以後の社会と企業がそれにどう関わるのか
- 自社の存在意義の定義
- 上記の内容を踏まえてディスカッション 、「アヘン」のような自己満足にならない、地球環境と人権、そして時存続を賭けたCIに落とし込む
(D)哲人リーダーシップとその実践
- 哲学とコーチング
- ソクラテスの「産婆法」に由来する対話と議論による指導法
- プラトン『国家』の理解・批判の歴史から学ぶリーダーの役割
- リーダーのための思考法トレーニング
- 「具体と抽象」や「帰納と演繹」、命題論など、組織におけるコミュニケーションに必要な思考の基本を哲学から学ぶ
- 次世代リーダーに必要な哲学的な問い
- ~21世紀に企業に課される問題を哲学から学ぶ(地球環境、人新世、成長の限界)
(E)モチベーション、選択理論、アドラー心理学、その実践
- アドラー心理学と選択理論:ストア派の哲学から学ぶ
- アドラー心理学の「目的論」と「原因論」をギリシャ哲学から学ぶ
- アドラー心理学の「幸福論」をギリシャ哲学から学ぶ
- アドラー心理学の「愛と勇気」をめぐって、モチベーションとは何かを哲学から学ぶ
- 参加者同士の質問・対話・ディスカッションによって相互尊重を実践する
アドバンストコースのモデルプラン
6か月にわたり哲学的対話を重ねながら、仕事現場での哲学思考の実践を力強く導く研修コースです。
毎月1回のオフライン/オンラインでの1Day研修をベースにして、その間に参加者同士の共同作業や課題図書から得られるインスピレーションを翌回の研修でさらに深掘りしていきます。
日頃の業務ではあまり触れることのないビジネスをめぐる哲学や倫理の問題ついて本音で話し合える場を提供し、対話を重ねることによって、善い企業とは何か、善いリーダーとは何か、善い組織とは何かを、自らの言葉で語ることのできるリーダーを育成します。
実施期間や対話テーマは、組織の課題に応じてカスタマイズ可能です。
●対象者
- 経営者及び経営幹部
- 部課長級の管理職
- 組織改革を任された責任者
- 自律性や創造性を求められるメンバー
●課題やニーズ
- 組織変革を実行するにあたり、確固たる方針を打ち立てたい
- 3年後、5年後を見据えた組織のあり方を考えたい
- 意思決定の際に自信を持って決断・判断していきたい
- 前例踏襲に陥らず、新しい事業戦略を打ち立てたい
●料金
- ベーシックコース:1Day研修 20万円
- アドバンストコース:1Day研修 30万円
(時間と料金はご要望にあわせてご相談に応じます)