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Date(s) - 2024年11月17日
1:00 PM - 4:00 PM
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テーマ:「もしプラトンが政治家になったら?」
10月の哲学カフェでは、選挙とは何かについて対話を行いました。
選挙は民主主義を構成する要素の一つですが、
あくまで必要条件に過ぎないという合意が得られました。
民主主義への批判は様々ありますが、
哲学の立場から行った批判としてもっとも有名なのがプラトンの哲人政治です。
プラトンが著作『国家』で提唱した哲人政治の概念を中心に、
現代の政治体制との対比を通じて、
ラディカルな視点から民主主義の価値を改めて照らし直す作業になります。
プラトンの『国家』は、紀元前4世紀に書かれた哲学書で、
理想的な国家の姿と正義のへの問いかけがなされています。
この著作の中で、
プラトンは哲学者が政治を指導することが最善の形態であると論じています。
彼の理論では、哲学者(すなわち「哲人」)は真の知識を持ち、
正義と善を追求する存在であり、
したがって彼らが国家を統治することが理想的だとされています。
『国家』の中心テーマには、正義、教育、そして統治の形態が含まれており、
特に有名なのは「洞窟の比喩」で、
現実の真の理解を探求する人々の道筋を描いています。
プラトンの哲人政治と民主主義との対立点 『国家』における哲人政治の概念は、
知恵と徳を兼ね備えた哲学者が国家を統治するという理想を描いています。
この理論が現代の民主主義とどのように対立し、またどのように補完し合うかを探求します。
とはいえ、哲人政治は結局独裁と何が違うのか? という疑問がすぐに浮かび上がります。
一見すると非常に似ているように思えますが、その本質は異なります。
哲人政治が独裁とは異なる理由について深く掘り下げ、
現代の民主主義は、多くの課題に直面しています。
哲人政治の方がよいのかもしれないという誘惑に駆られることもあるかもしれません。
これらの問題が深刻化した場合、果たして哲人政治の方が優れた体制となりうるのか。
歴史的に哲人政治が実現した事例はありませんが、思考実験としてそのシミュレーションを行います。
下種の勘繰りになるかもしれませんが、
哲学者の単なる権力欲に過ぎないのではないか
哲人政治が本当に理想的な統治形態なのか、
あるいはそれが哲学者の権力欲を正当化するための
理論に過ぎないのかという疑問が古くから呈されています。
このテーマでは、哲人政治の背後にある動機や意図について鋭い視点から検討します。
今年は選挙イヤーであったこともあり、政治にかかわるテーマを哲学カフェで多く扱いました。
多岐にわたる議論の展開となりますが、今回はその締めくくりとなります。
どうぞお楽しみください。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:11/17(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
|
<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2024/11/17 哲学カフェ Vol.75 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得