日付/時間
Date(s) - 2025年6月15日
1:00 PM - 4:00 PM
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2025年哲学カフェ 年間テーマ:「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」
現代世界において、日本を取り巻く状況はかつてないほど複雑で不安定です。
西洋社会ではポピュリズムが台頭し、
その背後には「西洋の自死」とも言える深刻な自己懐疑が見え隠れします。
一方、中国やロシアといった大国、そしてグローバルサウスと呼ばれる発展途上国は、
それぞれ異なる価値観と現実的なパワーバランスを模索しています。
このような中で、日本はどのような立ち位置を取るべきか。
そして、私たちは日本人としてどのように生きるべきか
――この問いを、2025年の哲学カフェの年間テーマとします。
この問いに答えるためには、日本の文化的背景や哲学史に根ざした
私たちの特性を深く見つめ直す必要があります。
同時に、西洋哲学史や他文化との比較を通じて、
日本的な特性を浮かび上がらせ、それを行動の根拠とする試みを行います。
第82回テーマ:あなたは「テクノ領主」の臣民ですか? ― 「テクノ封建制」の構造と私たちの未来を考える
私たちの生活は、巨大なプラットフォーム企業や、国境を越えるテクノロジーの力によって、
かつてないほど深く規定されています。
スマートフォンなしの日常は想像できますか?
あなたのデータは、誰がどのように利用しているか知っていますか?
前回の哲学カフェ「技術のナショナリティとは何か?」では、
技術が国家や文化と深く結びつく側面(「鉄は国家なり」「生活様式」)と、
グローバルに展開する力(「ネットワーク」「規格統一」)の両面を探求しました。
また、ハイデガーの「ゲシュテル(総駆り立て体制)」や
フィーンバーグの「技術の民主的合理化」を手がかりに、
技術と人間の関係性を問い、西田幾多郎の「作られたものから作るものへ」という視点から、
私たちが技術を主体的に創造していく可能性を見出しました。
これらの議論を踏まえ、次回は一歩進んで「テクノ封建制を考える」というテーマで思索を深めます。
現代社会において、一部の巨大テクノロジー企業や、特定の技術システムが、
まるで中世の「領主」のように振る舞い、私たちユーザーはその「臣民」として、
気づかぬうちに彼らの提供する「領地(プラットフォーム)」の中で生活し、
ルールに従い、データという「年貢」を納めているのではないか――。
このような「テクノ封建制」とも呼べる構造は、私たちの自由や選択、
さらには社会全体のあり方にどのような影響を与えているのでしょうか。
この新しい「封建制」において、
- 私たちは本当に自由な意思決定をしているのでしょうか?
- 「技術の中立性」は存在するのか、それとも特定の意図が埋め込まれているのでしょうか?
- 「使う側の暴走」だけでなく、提供する側の強大な力にどう向き合うべきでしょうか?
- そして、年間テーマである「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」という問いに立ち返ったとき、
この「テクノ封建制」の波の中で、私たちはどのように主体性を保ち、
日本独自の文化や価値観を活かした技術との関わり方を築いていくことができるのでしょうか。
デジタル時代の新たな権力構造とも言える「テクノ封建制」について、
その光と影を多角的に見つめ、私たち自身のあり方、そして望ましい未来社会の姿を共に考えてみませんか。
技術に詳しい方も、そうでない方も、どなたでも歓迎いたします。
自由な対話を通じて、新たな気づきが生まれる場にしたいと思います。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:6/15(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
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<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
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※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2024/6/15 哲学カフェ Vol.82 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得