日付/時間
Date(s) - 2025年10月26日
1:00 PM - 4:00 PM
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2025年哲学カフェ 年間テーマ:「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」
現代世界において、日本を取り巻く状況はかつてないほど複雑で不安定です。
西洋社会ではポピュリズムが台頭し、
その背後には「西洋の自死」とも言える深刻な自己懐疑が見え隠れします。
一方、中国やロシアといった大国、そしてグローバルサウスと呼ばれる発展途上国は、
それぞれ異なる価値観と現実的なパワーバランスを模索しています。
このような中で、日本はどのような立ち位置を取るべきか。
そして、私たちは日本人としてどのように生きるべきか
――この問いを、2025年の哲学カフェの年間テーマとします。
この問いに答えるためには、日本の文化的背景や哲学史に根ざした
私たちの特性を深く見つめ直す必要があります。
同時に、西洋哲学史や他文化との比較を通じて、
日本的な特性を浮かび上がらせ、それを行動の根拠とする試みを行います。
第86回哲学カフェ:「民族」という名の魔術 ―『民族とは何か』を読み解き、現代を問い直す
「日本人」「ドイツ人」…
私たちが自明のものとして当たり前に信じる「民族」が、
もし、それが古代から続く自然なものではなく、
近代に発明された強力な“魔術”だとしたら…?
今回の哲学カフェは、思想史家・関曠野の主著『民族とは何か』を手がかりとして、
いわゆる「国民国家」という近代社会の根幹を対話しながら解剖する試みです。
今回は、『民族とは何か』のラディカルな議論を道標に、
三つのステップで思考を深めます。
ステップ①:「民族」概念の解剖
まず、国家が人々を戦争へと動員するために、
いかにして「我々国民」というフィクションを“発明”したのか、その歴史を辿ります。
私たちが自明視する「民族」意識が、実は極めて政治的な近代の産物であることを明らかにします。
ステップ②:近代が生んだ二つの怪物
次にこの発明品が「民族自決」という理想と、「植民地主義」という支配を同時に生み出した、
近代史の巨大なパラドックスに迫ります。
この二つが、同じ根から生まれた「コインの裏表」である、
という関氏の最も鋭い主張を検討します。
ステップ③:現代への反響
最後に、この強力な分析ツールを用いて、
私たちが前回議論した「参政党現象」の根底にある
「純粋な日本」という物語が、いかにこの近代の“魔術”を反復しているかを考えます。
こんな方におすすめです
- 単純な善悪二元論では物足りない方
- 社会を動かす「物語」の正体に関心のある方
- 歴史や現代思想を武器に、現代の政治現象を深く読み解きたい方
- 答えのない問いについて、じっくりと考え抜きたい方
「民族」という名の魔術から、私たちは覚めることができるのか。そのための思考の筋力を、対話を通じて共に鍛えましょう。
参考図書: 関曠野『民族とは何か?』(講談社現代新書)
※未読でも参加可能ですが、ご一読いただくとより深い議論がお楽しみいただけます。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:10/26(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
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<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 ※お申込期限:10/23(木) オンライン配信準備があるため |
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※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2025/10/26 哲学カフェ Vol.86 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得