日付/時間
Date(s) - 2025年11月16日
1:00 PM - 4:00 PM
カテゴリー
2025年哲学カフェ 年間テーマ:「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」
現代世界において、日本を取り巻く状況はかつてないほど複雑で不安定です。
西洋社会ではポピュリズムが台頭し、
その背後には「西洋の自死」とも言える深刻な自己懐疑が見え隠れします。
一方、中国やロシアといった大国、そしてグローバルサウスと呼ばれる発展途上国は、
それぞれ異なる価値観と現実的なパワーバランスを模索しています。
このような中で、日本はどのような立ち位置を取るべきか。
そして、私たちは日本人としてどのように生きるべきか
――この問いを、2025年の哲学カフェの年間テーマとします。
この問いに答えるためには、日本の文化的背景や哲学史に根ざした
私たちの特性を深く見つめ直す必要があります。
同時に、西洋哲学史や他文化との比較を通じて、
日本的な特性を浮かび上がらせ、それを行動の根拠とする試みを行います。
テーマ: 日本のポップカルチャーは「民族(ネイション)」の呪縛を超えるか?
年間テーマ「日本人としていかにして生きるべきか?」を掲げ、
探求を続けてきた哲学カフェも、
いよいよクライマックスの季節を迎えます。
前回(10月)は、『民族とは何か?』を手がかりに、
「民族(ネイション)」という概念が、
実は近代国家によって「発明」されたフィクションであること、
そしてその成立の論理が、
必然的に「他者」を排除する暴力(民族浄化や植民地主義)を
内包してきたことを学びました。
一方で私たちは、この一年間(特に4月〜8月)、
西洋近代の論理(ゲシュテル)とは異なる道筋を、
日本の「ものづくり」の精神に見出そうと試みてきました。
西田幾多郎の「行為的直観」や「場所」、
ユク・ホイの「宇宙技芸」といった概念が、
その探求のキーワードでした。
11月のカフェでは、
これら二つの大きな補助線(関曠野の近代批判 と 西田・ユク・ホイの場所の哲学)を手に、
現代日本が世界に放つ
最強の「現象」=ポップカルチャー(アニメ、マンガ)の
哲学的意味を問います。
この巨大な文化的力は、一体どちらの産物なのでしょうか?
それは、「民族」の物語の現代的な反復(=文化ナショナリズム)なのでしょうか?
それとも、私たちが可能性を見出してきた、
日本という「場所」に根差した
「ものづくり」の実践(=行為的直観、宇宙技芸)の
産物なのでしょうか?
当日は、『ONE PIECE』や『初音ミク』の創造プロセスに見る
「行為的直観」の姿や、『ポケモン』が生み出す「ファンダム」という
「民族」とは異なる共同体の可能性を探ります。
しかし、現実は単純ではありません。
『進撃の巨人』は、香港では「自由の象徴」と受け止められ、
韓国では「帝国主義の亡霊」として拒絶されました。
この事実は、ポップカルチャーが「場所」の論理から生まれても、
ひとたび世界に出れば、瞬時に「民族」や「歴史」という
近代の強力な磁場に捕捉されてしまう「二重性」を示しています。
この「二重性」こそが、私たちが最終回で向き合う「ナショナリティ」の核心です。
年間テーマの集大成となる12月最終回
「SDGs~世界の中の日本:インターナショナリティとナショナリティ~」を前に、
この最も現代的で複雑なテーマについて、
皆様と深く対話できることを楽しみにしております。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:11/16(日) 時間:13:00~16:00
参加費
| <会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
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| <オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2024/11/16 哲学カフェ Vol.87 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得