日付/時間
Date(s) - 2025年12月21日
1:00 PM - 4:00 PM
カテゴリー
【12月 哲学カフェ(2025年度 最終回)開催のご案内】
テーマ:SDGs ~世界の中の日本:インターナショナリティとナショナリティ~
年間テーマ:「日本人としていかにして生きるべきか?」
2025年1月、「家族とは何か?」という問いから始まった私たちの哲学カフェは、
「生きがい」「近代の超克」「テクノロジー」「ものづくり」
そして「民族」と、思索の旅を続けてきました。
年間テーマ「日本人としていかにして生きるべきか?」の探求が、
ついに最終回を迎えます。
今回は、高岡市が推進する「SDGsDays」の趣旨に賛同し、
私たちの年間テーマの集大成として、
この「SDGs」という世界的なテーマと真っ向から向き合います。
会場も、いつもの「FACTORY ART MUSEUM TOYAMA」を離れ、
高岡の街なかにある「TASU会議室(御旅屋セリオ4F)」にて、
より開かれた形で開催します。
これまでの軌跡 ― 私たちが手にした「ナショナリティ」の二重性
私たちはこの秋、私たちが拠って立つ
「日本的なもの(ナショナリティ)」の正体に迫ってきました。
10月、私たちは『民族とは何か?』を手がかりに、
近代が「発明」した「民族(ネイション)」が、
人々を「国民」として強固に統合するため、
「強いつながり」を要求し、
必然的に「他者」を排除する論理を持つことを学びました。
そして先月(11月)、私たちは
日本のポップカルチャー(新ジャポニズム)を分析しました。
この現象は、近代的な「民族」とは異なる、
「ポストモダン」的で「弱いつながり」の構造(=八百万の神々、タコツボの増殖)によって
成り立っていました。
しかし、その内実には、私たちが直視すべき強烈な
「光と影」の二重性があることを発見しました。
- 光(可能性):
『初音ミク』に代表される「開かれた創造プロセス」は、
西田幾多郎の言う「行為的直観」の現代的発露であり、
ボトムアップで世界的な創造性を誘発する、
日本的な「ものづくり」の輝きそのものでした。
- 影(限界):
同時に、「ファンダム」という「弱いつながり」の共同体は、 - その内部に強烈な同調圧力を持ち、
- 「空気を読めないヨソモノ」を「ケガレ」として排除する、
- 陰湿な「ムラ社会」の排他性をハイテクの海に反復させていました。
最終回の問い:「SDGs(規範)」と「日本(空気)」はいかにして出会うか
私たちは今、「創造性(光)」と「排他性(影)」という二重性こそが、
私たちが引き受けねばならない「ナショナリティ」の
リアルな姿である、という地点に立っています。
この重い認識を携え、私たちは高岡市「SDGsDays」という場にのっとり、
最終テーマである「SDGs(持続可能な開発目標)」と対峙します。
「SDGs」とは何でしょうか。
それは、まさに私たちがこれまで分析してきた日本的構造とは
根本的にOSが異なる、「インターナショナリティ(国際性)」の論理です。
- SDGs = 西洋的な「規範(ドグマ)型」のインターナショナリティ。
「かくあるべき」という普遍的な理想をトップダウンで提示し、
近代的な「強いつながり」をグローバルに要求するシステムです。
- 新ジャポニズム = 日本的な「空気(ムラ)型」のナショナリティ。
「ポストモダン」的な「弱いつながり」に基づき、
ボトムアップの創造性(光)と、「ヨソモノ」への
排他性(影)を同時に内包するシステムです。
「日本人としていかにして生きるべきか?」という一年間の問いは、
この最終対決に集約されます。
私たちは、SDGsというグローバルな「規範」を、どう受け止めるべきか?
「ムラ」の排他性(影)を克服し、
ポップカルチャーが持つ「行為的直観」の創造性(光)を、
SDGsというグローバルな課題解決に活かす道筋はあるのか?
根本的に異なる論理を持つ「インターナショナリティ」と
「ナショナリティ」を、
私たちはこの日本という「場所」で、いかに出会わせるべきか。
一年間の思索の集大成となる、最も困難で、最も重要な対話です。
特別な会場で、皆様の深い洞察と、真摯なご意見を心よりお待ちしております。
場 所:高岡まちなかスタートアップ施設「TASU」会議室
〒933-0029 富山県高岡市御旅屋町101 御旅屋セリオ 4階
開催日:12/21(日) 時間:13:00~16:00
参加費
| <会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
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※今回は会場開催のみです。 |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2025/12/21 哲学カフェ Vol.88 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得