弟子の投稿です。ただの雑談です。
2014年、何度か座禅をする機会がありました。
7月20日の企画でご一緒させていただく最勝寺では毎月8日に座禅会を開催しています。6月は初心者向けの座禅ワークショップに参加させていただきました。
実際どんな体験ができるのか興味のある方もいらっしゃるかと思い、座禅をしているあいだに頭の中で思い浮かんだことを思い出しつつ、体験レポートとしたいと思います。
座禅って、どんな感じ?
体験会は20分間の座禅を2回行います。間に「経行(きんひん)」と言う、堂内をしずかに半歩くらいの歩幅であるくことも行います。通常の座禅は1回40分くらいで、線香が一本燃え尽きるくらいの時間で1セットと考えるようです。
座禅は「結跏趺坐(けっかふざ)」という形に足を組んで、手を「法界定印(ほっかいじょういん)」という形に組むのが正式な姿勢です。背筋はまっすぐ、頭の上で天井を突くような気持ちで軽く顎を引き、目は半開き(半眼)の状態で、ただ静かに座ります。
頭の中に色々なことが巡ってきますが、思考をつなげず、無理に打ち消そうともせず、思いが巡るがままにしておくのがポイントとのことです。日常生活ではありとあらゆる事に思考を巡らし、目の前の事に集中しているので、言葉ではなかなか理解できない境地です。私には一生かかっても分かる気がしません。
何もしないでじっとしているのは、実際かなり辛いです。足は痛いし、疲れます。
私達はふつう、自分のことやそれをとりまく様々なものに集中し、重大な事ほど近く大きく思われて、優先順位の高いほうに意識がギュッと偏るような状態です。しかし、そういう偏りを一旦なくして心をニュートラルに、自分の心と周りの全てのものとの良いバランスを取るような営みは、他では得られない体験ではないかと思います。
とりあえず坐ってみた
まずは前半の20分、しずかに座禅をします。前にも何度か体験していることもあり、すんなりといい感じに入っていけました。何か1つのことを考えたり、思考をつなげたりしないこと。座禅の姿勢をしている体と心が少しづつ重なって安定していく。言葉にあえて表すと、こういうイメージでしょうか。ただ静かな時間が過ぎていきます。
最初の20分間が経過すると、次に経行(きんひん)をやります。堂内を静かにゆるやかに歩行します。息を吸って吐く間に足の甲の長さの半分だけ歩を進めます。
鐘が二回なると、座禅を終えて経行にうつる合図です。
だがしかし。
いざ立ち上がろうとした瞬間、足が強烈にしびれてきました。
い、いたい….. もはや足に感覚はなく、さっきまで良い感じだったのに!
他の人はふつうに立っているし。これは焦ります。
足をつかんでも肉の塊の生ぬるさが手に伝わるだけ。どうしても立てません。
あのマンガの名台詞が頭の中をよぎりつつ、しびれが収まるのを待ち、なんとか経行の列に合流。
足に痛みを残しつつ、ゆる座禅は後半戦に突入。
もはや私の足は座禅をする余力はなく、結跏趺坐を組んだ途端にじわじわ痛みが。
足が痛い。足が痛い。足が痛い。もう帰りたい。嗚呼、足が痛い。
意識は完全に足のほうに集中、じわりと汗が流れ出します。
これはマズい、何とかしなければ。心は平生と同じく完全に思考にとらわれています。
心が乱れた時は、あれの出番です。そう、警策(きょうさく)です。
肩をビシッと叩いてもらう木の棒ですね。ドリフの漫才で見た事あります。
結跏趺坐のまま、両手を合わせて合図を送ります。
すると、後ろから足音の近づく気配が近づきます。
木のすれる音がしてから右肩にゆっくりと警策が右肩に添えられます。
ひんやりとした木の板の冷たさを感じた次の瞬間、
パシィン!
強烈な打撃音。
ちょっ、、これ、、、、 めっちゃ痛いんですけど。
他の宗派は別として、曹洞宗では一撃必殺とのことです。
ちくしょう、道元の奴め。
思わず声をあげそうになるのをこらえ、合掌低頭して元の法界定印に戻ります。
少しの間は肩の痛すぎたので足の痛みからは気が反れましたが、結局は足の痛みに悩まされたまま後半戦は終了。なんとも情けない有り様でしたが、まぁこういう事も続けていけばあるのでしょうね。
ふつうの習い事と違うところ
スポーツや勉強、趣味などは経験をつみかさねていけば技能や知識が蓄積されていく、いわば「足し算」で捉えるものです。座禅は回数を重ねていくほどにシンプルに、余計なものを外していく「引き算」のイメージで捉えるところが座禅と他の習い事との違いではないでしょうか。と、最勝寺の副住職さんは仰っていました。
色々なものをどんどん付け足していくのではなく、余計なものを取り外していくことでバランスの取れた状態を目指すのが座禅でないかと 、私も何となく実感しています。言葉にしようとすればするほど、的が外れていく感じもいたしますが。
そんなこんなで、何度か座禅を体験しました。
正直な感想としては足が痛いし、楽しくも何ともないです。まぁでも、続けてみるのも良いかと思います。
合掌。