1/16(日)にFactory Art Museum Toyama において「3Dプリンタとは何か?」をテーマとして哲学カフェを開催しました。
現地参加者5名、オンラインでの参加者2名でした。3Dプリンタは、ファシリテータの野末がイージー・エンジニアリングで事業としており、しかも前回のテーマ「哲学と工学の対話は可能か? 」から連続するテーマでもあります。哲学と工学の交わるところの象徴として、3Dプリンタは適切なテーマであるとファシリテータの野末は考えました。
今回は議論のネタとした資料を公開いたします。
3Dプリンタの具体的な分類やメリット・デメリットについても整理して説明しました。そこから、3Dプリンタの特性として「技術の民主化」を担いうる可能性についても説明したうえで、皆さんと議論しました。その中でも特に、廃棄物レス・物流コストレス・消費電力レスの可能性を担う可能性と、それのSDGsとの相性について取り上げました。
最後の1時間では、3Dプリンタの持つ特性を「脱中央(decentralization)」として抽象化した上で、それと類似する電力や暗号資産、インターネット、再生可能エネルギー、そして前々回のテーマである「ひとり出版」について取り上げました。中でも、脱中央の一例として、視覚障碍者にもアクセスしうる立体デザインを3Dプリンタで成形したらどうだろうかという提案は興味深いものでした。確かに触る展示会は一部で模索されていますが、3Dプリンタはそれを気軽に実践できるメリットがあります。
ファシリテータ個人としては、 「脱中央(decentralization)」 は一般的には地方分権の文脈で論じられるので、政治と3Dプリンタの関係性について論考を深めねばならないと反省しています。 前回のテーマ「哲学と工学の対話は可能か? 」 においては、政治的意志によってその技術を有効活用すること、いわば技術の民主化が必要ではないかということを最後に提案しておいて、その提案を受ける形で論を展開することができませんでした。
設計論との兼ね合いの中で勉強を進めることになるのではないかと思います。もうしばらくお待ちください。