3/12(日)にFactory Art Museum Toyama において「選挙とは何か?」をテーマとして哲学カフェを開催しました。4月に統一地方選が行われて、富山県では県議選が行われます。そのタイミングで、選挙とは何かについて、富山県の県会議員である平木柳太郎さんをゲストに招いて、様々な年代の方と語り合いながら共に考える機会を設けました。
現地参加者7名、オンラインでの参加者3名でした。リピート参加の方と新規参加の方がそれぞれいらっしゃいました。特別に18歳前後の方をオンラインなどで無料で招待していましたが、一人オンラインでのご参加となり寂しい一面もありましたが、現地は議論で大いに盛り上がりました。平木さんはこの3月で議員を勇退されることとなり、しがらみなくお話しいただいた点も大きいと思います。
第1部では、平木さんとファシリテーターの野末の両者の自己紹介を行った後、選挙人口のデータをお示しして一般的なイメージほどは若者人口の選挙人口が少なくないことをアイスブレイクの話題として提供しました。その後、平木さんから富山県議選の内容についてガイダンスをしていただき、野末からもシルバーデモクラシーや未来倫理という概念を紹介しました。抽象的・具体的なトピックについて議論しました。
第2部では、平木さんご自身が経験された政治の内容についてプレゼンしていただき、民主主義とは何かについて議論しました。議員経験者も参加しておられ、民主主義とは根性であるという生々しい発言もあったり、未来倫理についての遠大な時間軸を射程に入れた議論もあったり、様々な方向に行ったり来たりしながら議論がなされました。
第3部では、平木さんが今後挑戦しようと試みている活動の一端も垣間見えて、民意を行政に反映する仕組みの模索はまだまだ成される余地があることも参加者の皆さんにも共有されたように思います。既存の選挙制度は硬直化して民意が反映されづらい傾向が進行していますが、各人が各所で民意を反映する試みを模索する必要性を実感しました。
シルバーデモクラシーといった時間軸の短い話で民意の分断が図られたりもしますが、未来倫理のような長い時間軸で私たちが抱える課題を整理しつつ、実際の行動において民意を粘り強く局所的であっても実現する必要性を、平木さんの実践から学ぶことができました。
次回は、壮大な時間軸をめぐる書籍『人新世の人間の条件』をもとに議論をしていきます。