日付/時間
Date(s) - 2025年3月23日
1:00 PM - 4:00 PM
カテゴリー
2025年哲学カフェ 年間テーマ:「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」
現代世界において、日本を取り巻く状況はかつてないほど複雑で不安定です。
西洋社会ではポピュリズムが台頭し、
その背後には「西洋の自死」とも言える深刻な自己懐疑が見え隠れします。
一方、中国やロシアといった大国、そしてグローバルサウスと呼ばれる発展途上国は、
それぞれ異なる価値観と現実的なパワーバランスを模索しています。
このような中で、日本はどのような立ち位置を取るべきか。
そして、私たちは日本人としてどのように生きるべきか
――この問いを、2025年の哲学カフェの年間テーマとします。
この問いに答えるためには、
日本の文化的背景や哲学史に根ざした私たちの特性を深く見つめ直す必要があります。
同時に、西洋哲学史や他文化との比較を通じて、
日本的な特性を浮かび上がらせ、それを行動の根拠とする試みを行います。
開催日:3/23(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
![]() |
<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
![]() |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
第79回のテーマ「生きがいと善の研究、その可能性と限界について」
前回の哲学カフェでは、「生きがい」をテーマに対話を深めました。
その中で、多くの人が「何かに没頭しているときに生きがいを感じる」と語り、
それがフロー体験と結びついていることを確認しました。
心理学者ミハイ・チクセントミハイのフロー理論では、
挑戦と能力のバランスが取れたとき、人は時間を忘れるほど没頭し、
充実感を得ると言われます。
では、このフロー体験を超えて、「生きがい」とは何なのか?
より根本的な問いを探るため、今回は日本の哲学へと踏み込んでいきます。
生きがいと精神世界——神谷美恵子の視点
神谷美恵子は『生きがいについて』の中で、
生きがいを持つためには「精神世界を掘り下げること」が重要だと述べています。
具体的には、芸術、文学、宗教、哲学といった営みが、
生きがいを形成する大きな要素となると考えました。
つまり、「生きがい」は単なる日常的な充足感だけではなく、
自己超越の契機を含んでいるのです。
西田幾多郎『善の研究』と日本の哲学
では、日本の哲学はこの精神世界の探究に
どのような洞察を与えてくれるのでしょうか?
その代表として、西田幾多郎『善の研究』を取り上げます。
西田哲学は「純粋経験」という概念を核に据え、
私たちの意識が主客の区別なく世界と一体となる経験を重視します。
これは、フロー体験や、
神谷が論じた「生きがい」とも通じるものがあるかもしれません。
ただし、西田哲学は単なる「快い没入体験」に留まりません。
彼の哲学は、「自己の深まり」や「善の追求」へと向かっていきます。
つまり、西田にとっての生きがいは、
単なるフロー体験を超えて、倫理的・精神的な方向性を持つものなのです。
その一方で、西田幾多郎に端を発する京都学派は、
太平洋戦争を正当化したとして糾弾にさらされることも多いです。
その哲学と政治の関係性についても検討してみます。
対話のテーマ:日本的精神世界の可能性と限界
今回の哲学カフェでは、次のような問いについて対話を深めていきます。
- 「生きがい」とは単なるフロー体験を指すのか、それともそれを超えたものなのか?
- 神谷美恵子の考えた「生きがい」と、西田幾多郎の「純粋経験」はどう結びつくのか?
- 日本の哲学が示す精神世界の可能性とは? 逆に、その限界や課題は?
- 私たちの日常や仕事、人生において、「生きがい」をどのように捉え直すことができるのか?
一見すると難解に見える哲学書も、私たち自身の経験や感覚と照らし合わせることで、
新たな意味を持ってくるかもしれません。
日本の思想が示す「生きがい」の可能性について、一緒に探求していきましょう。
皆さまのご参加をお待ちしております。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:3/23(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
![]() |
<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
![]() |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2024/3/23 哲学カフェ Vol.79 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得