日付/時間
Date(s) - 2024年9月15日
1:00 PM - 4:00 PM
カテゴリー
テーマ:「主体性からの逃走は可能か?~
ハイデガーから考えるロシアのウクライナ侵攻問題~」
8月の哲学カフェでは、丸山眞男における日本の近代化と、
それに伴う近代的自我と主体性の確立をテーマとして考察を深めました。
日本人論は感情を刺激するところがあり、
また、丸山の論考にも挑発的なところがあり、
議論が白熱しました。
特に、主体性の確立という丸山の持論については
賛否両論激しい議論になりました。
5月と6月はアメリカについて、
7月と8月は日本について議論しました。
今度はドイツ人の哲学者であるハイデガーを取り上げます。
ハイデガーは「主体性」について疑念を示し、
「現存在」という概念を提起しました。
「主体性」の普遍性について疑念を示したわけですが、
それは多くの問題をはらみ、諸民族間の分断を招く可能性があります。
ハイデガーがナチスにコミットしたことは有名ですが、
その背景にはやはりこの現存在の問題があったことが想定されます。
近年では、ドイツの極右政党である
AfD(ドイツのための選択肢)の政治家が
ハイデガー哲学に依拠して、
主張の正統性をPRしていることが知られています。
さらに、AfDと親交を深めるロシアの哲学者にして、
プーチン大統領のブレーンとして知られる
アレクサンドル・ドゥーギンが現存在という概念を、
「ロシア的現存在」とリニューアルして、
個人は民族共同体の歴史や伝統との繋がりのうちで
自らの本来的なあり方に立ち返るとしています。
つまり、近代が理想として描いてきた普遍的な
「主体性」に疑念を示すことは、
極右化へのはずみをつけることにつながり、
戦争を引き起こすことにもつながるわけです。
他方、経済のグローバル化がアメリカの中間層の貧困を引き起こして、
トランプ現象を招いたことにも注意を払う必要があります。
極右化にも理由があり、普遍的な「主体性」の再定義が必至となっています。
以前の哲学カフェのテーマになった「ケアの倫理」がヒントとなることでしょう。
これらの点について議論を行う予定です。
場 所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA (〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷522)
開催日:9/15(日) 時間:13:00~16:00
参加費
<会場参加> | ビジター¥1,500 哲学カフェ会員 ¥1,000 ※当日、現金でお支払い下さい。 |
|
<オンライン参加> | ビジター ¥800 哲学カフェ会員 ¥500 |
※哲学カフェ会員は随時受付しています。→詳細・お申込みはこちら
申し込み方法
- 会場参加申し込みフォーム(推奨)→詳細・お申し込みはこちら
- メール:info@fujita-k.co.jp(アットマークは半角に修正して下さい)
件名に「 2024/9/15 哲学カフェ Vol.73 申し込み」
1)住所
2)氏名
3)メールアドレス
4)携帯番号
5)哲学カフェin富山 会員、非会員の明記
以上を記入してお申し込みください。
* 申し込みのメールには、必ず返信のメールを出しています。もしメールが届かない場合はゴミ箱に入っていないか?確認をお願いします。お手数ですが、よろしくお願いします。 - FAX:0766-64-5220 上記記入の上、FAXしてください。
講師
野末雅寛(のずえまさひろ)
株式会社アガトンラボ代表取締役。2014年から哲学カフェ in 富山で講師を担当。
1974年富山県朝日町出身。
金沢大学教育学部と京都大学大学院文学研究科修士課程にて哲学を専攻、ハイデガーなどドイツ哲学を学ぶ。
高等学校教諭一種免許(公民)を取得